鍼灸治療の分野について②

東洋医学・治療ついて

皆様お待たせいたしました。本日は経絡治療についてお話をさせて頂きます。
さて当院も採用している経絡治療ですが、日本伝統的鍼灸とも言われています。
歴史はというと2千年の鍼灸の歴史に比べると意外に浅く、誕生・そして発展したのは昭和になってからになります。古典の考え方が非常に重視されている事から2千年の鍼灸の歴史を最も色濃く受け継いでいると言えると思います。
さて経絡治療の特徴としては
・様々な流派に分かれていている
・術者の感覚が重視されている
・細い鍼を使って浅く刺すので比較的ソフトな刺激
・手足のツボを多用
・全身調整を目的としている
・脈診を重視する人が多い
・虚を補うのが得意
等などが挙げれるかと思います。(様々な流派がありますので当てはまらない事もあります)

のっけからの特徴で恐縮ですが、様々な流派に分かれてしまった事で「これ」という定義が中々難しいのが実情です。また脈診を重視したりツボを探す際に術者の感覚が重視される等、習得するまでに相当の時間を要するため急速な拡がりが難しいという側面もあります。
ソフトな刺激で虚を補うのが得意という事で、ハードの刺激で実を瀉すのが得意な中医学とは丁度、好対照となっています。オフィスワークなどで普段活動量が多くない日本人には比較的向いている技術かな?と考えております。また流派がたくさんあったり術者の感覚が必要な事から、エビデンスという面では他の西洋医学的な鍼灸や中医学的な鍼灸に比べると少し弱みがあると言えます。言葉を変えるなら西洋の科学的な世界にとらわれず、一歩飛び出した(踏み外した?)人が採用しているイメージがあります。

さてこの経絡治療の特徴の一つとして症状の根本原因となる弱っている臓を五臓の中から一つ見極め、その臓に対してアプローチしていくという点があります。五臓とは肝・心・脾・肺・腎の5つになりますがここからどの臓が弱っているのか?と見極めます。
これも流派によりますが、心が弱るというのは珍しく実質4つから選んでいきます。
この見極めを脈診を中心とした手法によって行っていきます。
一旦臓が決まりましたら、今度は古典を参考に治療穴を選び治療していく事になります。

この様に経絡治療は日本人向きの非常に魅力的な治療技術なのですが、中心の技術である脈診の習得が非常に難しいという大きな欠点がありました。この欠点にメスをいれたのが志鍼塾塾長の石丸院長となります。志鍼塾の特徴につきましてはまた別の機会に書かせて頂ければ幸いです。