東洋医学・治療①~気について~

東洋医学・治療ついて

さて東洋医学治療編の記念すべき第一回目ですが、何にしようかな?と考えていたのですが、やはりここは東洋医学の基本のきである「気」について思っている事について書いていきたいと思います!
いきなりぶっこんできましたねー。。。(そういえば昔、ぶっこみの拓という漫画がありました。)
本日のブロクは少し長文になる事が予想されます。
ところで実は鍼灸師には2種類ありまして、この「気」の存在を前提にする鍼灸師と前提としない鍼灸師が存在します。私はもちろん前者ではあるんですが、実は後者の方が多いという統計もあります。
少し話がずれていきますので、鍼灸院のジャンル分けについてはまた別の時にお話できればと思います。

鍼灸師は厚生労働省が管轄する国家資格であり、もちろん国家試験があるのですが、その問題の中の東洋医学概論という試験科目の中には気の存在を前提とした問題が頻出します。2024年2月に行われた国家試験でも以下の様な問題が出題されています。
Q83 脈中をめぐり、全身を滋養する気はどれか。 1.衛 気 2.原 気 3.宗 気 4.営 気
Q84 気の作用で尿漏れを防ぐのはどれか。1.推動作用 2.固摂作用 3.防御作用 4.気化作用
試験の問題作成は外部団体に委託されているとはいえ、厚生労働省のお墨付きを得ているわけですから、これは厚生労働省が、ひいていえば国が「気」の存在を公に認めていると言っても過言ではないと思われます。いやさすがに少し過言ですかね💦

さてこの「気」ですが、気持ち・気分・気合・天気・気質等々、気が用いられた日本語というものは沢山存在します。また電気の様に新しい概念が外国から入って来た時に使われるなど、過去の日本人は自然と気の存在を受け入れていたのかな?という気がしています。
東洋医学の根本を構成する概念の一つである気は目に見えない事もありますが、現代の科学では測定できないとう事が一番の泣き所になります。先ほど出てきた電気も目に見えませんが、その存在を疑う人はいません。実際に役に立っている、時にはビリっと感じる事も存在を認める理由であったりしますが、やはり機械で測定できるという点が大きいのでは無いでしょうか?
実は気についても役には人の約に立っていますし、何と言って感じる事もできてしまいます。気を感じる事ができる、そう言うと眉をひそめそっとページを閉じようとする方も多いと思いますが、もう少しだけお付き合いください。なお気を初めて感じた時のエピソードはこれまた別の時に書かせて下さい。
さて「気」とは何か、というのは誰しもが疑問に思う所です。教科書的には先ほどのQ84に出てきた4つの作用に温煦作用を加えて5つが有名ですが、ここでは少し教科書から離れて2冊の本を紹介させて下さい。

Version 1.0.0


左側の本はダニエル・キーオン先生の「閃めく経絡」で2018年に発刊された本で鍼灸師の間では知らない人はいないというかなり有名な本となります。ただ難しすぎて途中で読むのを挫折してしまいました💦
一方右側の「始原東洋医学」は初版はそれから遡る事20年の1998年に有川貞清先生によって発刊された本になります。こちらの本は控え目に言って相当にヤバい本となります。耐性の無い方はページを開く事はおすすめできません。ただしハマる方には一生の愛読書になる事間違いなしです。方やマンチェスター(英国)、方や九州の大学を卒業されていますがいずれも医師によって書かれた本になります。そして洋の東西、20年の時間の隔たりを問わず両書には「気」について全く同じ内容の事が書かれていました。この共通性に気づいたときには驚きを通り越して少し鳥肌までたった事を今でも鮮明に覚えています。
「もったいぶらずに早く結論を!」という声が聞こえてきそうですので、その内容について書かせて頂きます。それは気の働きとは「細胞がプログラムされた設計図通りになるように動かしていく」という事です。ポイントは2つ。「設計図通り」と「動かしていく」の2つになります。動かしていくというのはガソリン等のエネルギーに近いと想像すると比較的イメージしやすいと思います。「設計図通り」というのもそのままなのですが、ポイントは設計図から仮に外れてしまった時には、元通りになる様に修正していくという事なんですね。
地下鉄で例えてみますと札幌駅から札幌ドームに行くときに誤って南北線に乗ったとしましょう。(ローカルネタで申し訳ありません💦)
大通駅では正解の東豊線にも同じ駅がありませんので気づきません。次のすすきも似た名前の駅があるのでちょっと気づかないかも。その次の中島公園で異変に気付く事になります。
そこで乗っていた地下鉄を降りて東豊線の駅まで引き返して、最終的に無事ドームに到着する訳ですね。この誤りに気づいて東豊線に乗り直すというのが、修正というイメージに近いと思います。
設計図通りに行っておらず,更にそれを修正する力が弱っていたりあるいは修正する方向性が分からなくなっている時に病気になったり、体調の不調を感じたりします。
そこで鍼灸の出番となります。この本来人間の持っている修正する能力を少し補助してあげたり、方向性を見失っている時には正しい方向を指し示してあげる、そんな感じで気を補ってあげたり調整してあげたりできる力が鍼灸にはあるのかなと思っております。ですので鍼灸は整形外科的な疾患の他にも沢山の疾患に対応できると考えております。
なおこの解釈は私の勝手な推測であり根拠等はありませんので予めご了承ください。
かなりの長文になってしまいましたが、ここまでお付き合い頂きありがとうございました!