東洋医学・治療③~鍼と針

東洋医学・治療ついて

当院の名前にも使われている「鍼」という漢字ですが、普段はあまり見かける事は無いと思います。私は鍼灸院という少し特殊な環境におりますので毎日の様に目にしておりますが、、、
本日はこの鍼灸に使われている「鍼」と普段良く目にする「針」と何が違うのかな?という皆様からの切実な疑問にお答えしていければと思います。

さてまず皆さまが良く目にされる「針」の方ですね。これは見た目にもイメージしやすいのですが、右側(つくり)からは先尖った印象を持たれると思います。すなわち金属でできた尖ったもの、まさしくイメージされる裁縫などで使う針そのものとなります。

一方「鍼」の方ですが、こちらのつくりの咸には武器で脅して口を閉ざさせるという意味から「封じ込める」という意味合いがあるそうです。平たくいうと何かが鍼の中に詰まっているという事ですね。
では何が入っているでしょうか?
それは患者さんに治ってほしいという思い=鍼灸師の「気」が入っているのかな?と思っております。
そしてその気によって実際にに患者さんを治療していきます。
かつて鍼は非常に貴重なものでしたので、何度も何度も繰り返し使用していきました。使用するうちに術者と道具が一体になりまさに体の延長のような形で治療をされていたのだと想像します。
現在は「てい鍼」のような刺さない一部の鍼を除いては使い捨ての鍼が主流となっています。使い捨ての鍼は一本ずつ個別に滅菌されたものが包装されているのですが、鍼の袋を破って実際に使用するまで長くても数十秒、短ければ数秒で終わってしまいます。
非常に短い時間でも一鍼一鍼、思いを込めていく事は可能だと思っています。

「針」を「鍼」に変える、それが鍼灸師の仕事なのだと考えています。